Kyoto University Advanced Nursing Sciences

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ご挨拶

超少子高齢社会において、看護の現場は医療機関から地域へと広がり、従来の看護観や手法では対応できない時代になってきています。一方で、iPS細胞による再生医療、AIを用いた画像解析、遺伝子診断を用いた個別化された治療法の開発など、医療の進化により、学ぶべき内容は極めて多岐にわたるようになってきており、そこには高度な倫理観が必要になっています。これらの課題に対応し、さらに新たな看護を創出するためには、常に他の学問分野における実践や研究にアンテナを張り、新しい課題を自ら見つけて探求していく姿勢が必要です。

京都大学の先端看護科学コースでは、本学の歴史ある自由な学風を基盤として、個々人の個性や自らの関心・主体性を尊重しつつ、看護学の学術的発展及び次世代の看護を担う人材の育成を目指しています。

本学科は先端看護のみならず、先端リハビリテーション(理学・作業料法学)、総合医療科学といった3コースを有し、コース横断的な研究を推進しています。すぐ隣の敷地には京大病院もあり、病院と本学科の教員を兼務するダブルアポイントメント教員もいるなど、臨床・研究面において大学病院との密な連携が行われています。一例として、2022年度に始動した京大医学部のDXセンター(デジタルトランスフォーメーションセンタ-)の設立には本学科も大きく関わっておりますし、先端看護科学コースの教員による京大病院のビッグデータなどを活用した研究も推進されています。このように、非常に学際的な雰囲気に満ちているのが、本学科・本コースの特徴と言えます。

先端看護科学コースでは、特色入試、一括入試、学士編入といった多様な入試制度により、多彩な人材を受け入れています。全学共通科目を履修する1~2回生が通う吉田キャンパスと、医学部・附属病院の敷地とは非常に近く、1回生のときから早期体験実習や研究室訪問などを行って臨床・研究マインドを涵養することも奨励されています。学部時代には既知の知識や技術の習得はもちろんのこと、看護の本質や現代社会のニーズに即した看護を考えることを大切にした学習を進めており、特に4回生の卒業研究には力を入れています。大学院ではコース横断的な大学院教育プログラム等を通じて、世界にコミットする看護科学の力を創出します。博士課程まで進学を希望する人には、修士・博士の一貫プログラムや、卓越大学院プログラムなども用意されています。

新しい時代に、人々の健康や生きることを支えるために、これまでの看護を変革し、それらを世界に発信するリーダーを育成することが本学のミッションであり、是非、志を同じくする学生さんとともに学びを進めて行きたいと思います。

皆様のチャレンジをお待ちしています。

先端看護科学コース長

木下彩栄