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精神看護学分野
スタッフ
千葉 理恵 教授
山之内 智子 助教
三井 督子 助教
研究室webサイト https://psych-nurs.hs.med.kyoto-u.ac.jp/index.html
分野の紹介
わが国の精神疾患患者数は400万人以上に増加しており、こころの健康の維持やこころの健康問題からの回復、精神疾患をもつ人々への地域生活支援は、とても重要な社会的課題になっています。精神看護学は、人のこころや行動に焦点をあて、メンタルヘルスをより高めるためのケアや、精神面での健康問題・困難をもつ人々へのケアを探究し、こころの健康を科学する看護学分野です。
私たちの研究室では、精神疾患を有する人々やご家族をはじめ、幅広い年代の人々を対象として、こころの健康や関連する看護ケアについて幅広いテーマで研究を行い、精神的により健康に生きていくためのケアを学問として探求しています。
教育内容
学部教育
学部教育では、精神看護学に関連する講義や演習、実習科目を担当しています。3年次の「精神看護学Ⅰ」や「精神看護学Ⅱ」では、こころの健康増進から様々な精神疾患の早期発見と治療・看護、精神疾患を有する人のリカバリー支援まで、様々なこころの健康レベルの人々を理解し、その人らしさを引き出し、自立を助けるための看護実践について学びます。看護職者の視点はもとより、精神科医、薬剤師、精神保健福祉士、セルフヘルプグループのメンバーなどによる授業を通して、多職種連携の視点や共同創造の考え方についても学びます。精神看護学実習は、京都大学医学部附属病院や福祉施設などで行っており、急性期の入院治療から地域生活までの幅広い支援や看護職者の役割、多職種連携の実際などについて学びます。
大学院教育
大学院教育では、精神看護学分野や関連分野の大学院生を受け入れ、国際的に活躍できる優れた研究者の養成を目指しています。「精神看護学特論」では、精神看護学領域において重要な概念や理論、最新の研究方法などについて学びます。海外からの留学生を受け入れて、講義は英語でも行います。また、高度実践研究者養成プログラムでは、卓越した援助技術をもつ精神看護専門看護師の養成を行います。(https://www.nursing.hs.med.kyoto-u.ac.jp/education/certified-nurse-specialist/)
研究内容
看護学や心理学の分野では近年、症状や困難を軽減させる視点とともに、逆境の経験に向き合うことを経て生じる変容や、病いとともに生きる個人の成長の過程にも焦点があてられるようになってきています。私たちの研究室では、精神疾患をもつ人々やご家族のそうした過程に寄り添い支援していくための研究に取り組んでいます。また、精神疾患と身体合併症をもつ方々がよりよい身体治療を受けられるようにしていくために、精神科病院と一般科病院それぞれの看護職者がどのように連携していけるかについて、臨床看護師を含む研究チームで研究を行っています。私たちは、こうした研究活動によってクオリティの高いエビデンスを創出していくことや、その成果を社会に還元していくことを通して、科学的根拠に基づいたケアの実践に寄与していくことを目指しています。大学院進学にご関心をおもちの方は、お気軽にご連絡ください。
メンバー
千葉 理恵 教授
<現在行っている主な研究課題>
・精神疾患を有する人の家族における、ベネフィット・ファインディングの関連要因の解明
・精神疾患を有する人の家族のベネフィット・ファインディングの促進:国際共同研究によるプログラム開発とRCT
・身体科と精神科をつなぐシームレスな継続看護の実現に向けて:身体科医療機関におけるインタビュー調査
・精神疾患と身体疾患を合併した患者へのシームレスなケアに向けた、精神科病院と身体科病院の看護師間の連携:複数事例研究
<主な社会活動>
・日本精神保健看護学会 理事
・日本精神障害者リハビリテーション学会 理事
・Japan Journal of Nursing Science 編集委員 他
山之内智子 助教
・統合失調症患者の身体組成データの評価と効果的な運動療法に関す
・災害被災者の精神健康度の変化についての研究
・看護職の職場のメンタルヘルスについての研究
三井督子 助教
<主な研究課題>
・高度実践看護師の介入やケアに関する研究
・精神疾患を有する人の家族のベネフィット・ファインディングについての文献調査
<精神看護専門看護師としての実践>
・リエゾンチームでの活動(リエゾンコンサルテーション、せん妄対策など)
・精神疾患のある患者さんと家族に対する看護面接
・看護スタッフに対する心理的な支援
<主な社会活動>
・日本精神保健看護学会 学術連携委員会 委員
・日本精神科看護協会 継続教育部会 外部委員
研究業績
各教員のResearchmapや京都大学教育研究活動データベースに掲載しています。