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ご挨拶
京都大学医学研究科・医学部は、2024年に創立125周年を迎えました。京都大学医学部人間健康科学科先端看護科学コース・京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻先端看護科学コースは、これまでの本学の歴史や伝統を大切にしながら、変化し続ける世界や医療の情勢に対応し、未来の医療の進歩と発展に寄与する人材を育てる教育を行い、看護学および保健医療学分野を世界でリードする最先端の研究を行っています。
学部教育では、1年次には主に全学共通科目、いわゆる一般教養の科目を学びます。あらゆる学部・学科の学生とともに、互いに刺激し合い切磋琢磨しながら幅広い分野の最先端の学問を学ぶことができるのは、歴史ある大規模な総合大学である京都大学ならではだと思います。主体的に学び、知的好奇心を満たす経験は、その後の人生の礎になっていくと思います。また、先端リハビリテーション科学コース(理学療法学・作業療法学)、総合医療科学コースの学生とともに学ぶ科目の中で早期臨床体験実習を行い、医療の専門職者になる最初の一歩を踏み出します。2年次には、専門基礎科目を多く学び、医療の専門職者になるための土台を築いていきます。3年次には、講義や演習、実習を通して看護職者になるための専門的な知識と技能を習得します。さらに4年次には、特に関心のある分野の研究室に所属し、看護学や関連分野の課題を見出し、課題を解決するための卒業研究に取り組みます。卒業後の進路は、京都大学医学部附属病院をはじめとする医療機関で看護師として活躍する人、保健師として行政機関等で活躍する人、大学院に進学する人など様々です。
大学院では、看護学や関連分野の第一線で国際的に活躍できる研究者を育成します。分野を横断する系統的な教育ユニットとしては大学院教育コースが開講されており、様々な専門分野の学生とともに学ぶ機会があります。また、ケアリング科学コースでは、対象の理解と人々の健康と幸福を実現するケアを探求します。さらに、高度実践研究者養成プログラムには、4分野(がん看護、慢性疾患看護、急性・重症患者看護、精神看護)の専門看護師教育課程があり、高度先進医療の一翼を担う高度医療専門職のリーダーとしての専門的知識や技能を学ぶプログラムによる教育を行っています。本学医学部附属病院の職務と兼務するダブルアポイントメント教員が、高度実践看護を教授し、大学病院との橋渡し役も担っています。
また、先端看護科学コースでは国際的な視点から看護学を学ぶ取り組みを推進しています。2025年3月には、台湾国立陽明交通大学にて開催された「Global Nursing Leadership Workshop 2025」において、本コースの教員4名と、学部生・大学院生7名が参加し、「Person-Centered Careの実現に向けた看護リーダーシップの育成」をテーマに、講義、グループワーク、研究発表を通して活発な意見交換を行いました。
看護学への強い関心と自ら課題を発掘し解決しようとする高い志をもつ皆さんが、本学の門をたたかれることをお待ちしています。次世代の看護学をともに切り拓いていきましょう。
2025年4月1日
先端看護科学コース コース長 千葉 理恵